初心者が知っておくべき一眼レフの設定
今回は初心者が知っておくべき三大知識完結編として、設定に関するものを書きたいと思います。
以前の初心者が知っておくべき一眼レフの選び方では本体のことを書きました。初心者が知っておくべきレンズの選び方ではレンズのことを書きました。
今回は本体とレンズを組み合わせ、どうやればどんな写真が撮れるのか。ということをなるべくわかりやすく、簡単に書いていこうと思います。
写真を撮るというのは光を取り入れること
小難しいことを書いてますが、簡単なことです。
暗いところで写真を撮ると、仕上がりがブレていたり真っ暗だったりしたことありませんか? なぜ、そんなことになるのか。

一言でいうと光が足りないんです。
この図を見てください。

水が光。
コップが写真の必要とする光の量です。
左は光が足りていません。
中央はちょうどいい感じです。
右は光が溢れています。
それぞれ、どんな写真になるのか。

こんなイメージです。
光が足りないものは黒つぶれが多く、光が多いものは白とびしています。
つまり、ちょうどいい量の光を取り込むことでちゃんとした写真が撮れるんです。
F値とSSの関係
ここからが本題です。
F値とは
F値というものがあります。
今までの水で説明すると、蛇口の空き具合になります。

蛇口を絞れば水は少しずつしか出ません。いっぱいひねるといっぱい出ます。
F値もそういう働きをします。絞れば(F値が大きくなれば)光の量が少なくなりますし、開ければ(F値が小さくなれば)光の量が多くなります。
ちなみに、F値を最大まで開ける時は「開放」といったりします。
SSとは
SSとはファインダーが上がっている時間で、要は光を取り込んでいる時間です。
今までの説明でいえば、蛇口を開けている時間のことです。

蛇口をあまり開けていない場合、水がいっぱいになるまで時間がかかります。蛇口をいっぱいあけているとすぐに水がいっぱいになります。
SSはその時間のことです。
F値とSSの関係
つまり、こういうことです。
- F値を絞る=SSが長い。
- F値を開放=SSが短い。
で、これが何の役に立つのかという話ですよね。
被写体深度と長時間露光について書いていきます。それぞれ違った景色を切り取ります。
被写体深度とボケ
被写体深度とは
写真を撮るとき、ピントをあわせます。一番奇麗に撮りたいものです。
では、ピントがあっていないものはどう映るんでしょうか。ボケているものもあれば、しっかり映っているものもあります。ピントをあわせていないのにしっかりと映っているものがあります。
ピントをあわせていないのにピントが合っているように映る範囲。
この深さ(距離)を被写体深度と呼びます。
ちょっと難しいですね。
百聞は一見に如かず。2枚の写真を見てください。
コリラックマにピントをあわせてます。コリラックマの前後から徐々にボケ、手前と奥のダンボーは明らかにボケてます。

焦点距離=20mm F=1.8 SS=1/40 秒
ピントはコリラックマのままです。こちらは全ての被写体がはっきり映っています。

焦点距離=20mm F=16 SS=2秒
これが被写体深度という概念です。図にするとこんな感じ。

ピントから離れるのにハッキリ映る距離(深さ)。これが被写体深度です。上の絵でいえば、赤い当たりが被写体深度が浅く、黄色の部分にかけて徐々に深くなるということです。
カメラマンからの距離ではなく、ピントからの距離です。難しそうですが、写真と撮り始めるとすぐに慣れます。
つまり、被写体深度をマスターすればボケる範囲を操れることになります。
で、実際にどうしたらいいのかってことですね。
被写体深度とF値の関係
設定と被写体深度は、このような関係になります。
- F値を絞る=SSが長い=被写体深度が深い。
- F値を開放=SSが短い=被写体深度が浅い。
つまり、開放F値が明るい(数値が少ない)レンズの方がボケが出やすいということです。そして、明るいレンズといえば単焦点です。以前のレンズ編で単焦点をすすめていましたが、理由はここなんです。

焦点距離=50mm F=2.2 SS=1/800秒
奇麗にボケた写真が撮りたいなら、単焦点を買いましょう!
長時間露光
長時間露光とは、長い間シャッターが開いている状態です。
では、どんな写真が撮れるのか。
流水
こんなやつです。滝とか川の流れが見えるような写真です。

焦点距離=20mm F=7.1 SS=2.5秒
私がカメラを始めたきっかけはこの写真が撮りたかったからなんです。露出時間が長いので、被写体深度が深いのもわかっていただけますね。
夜景
あるいは夜景です。

焦点距離=20mm F=6.3 SS=181.2秒
この時はシャッターを約3分ほど開けてますので、星も流れてます。星がグルグル回るやつも長時間露光で撮影できます。(他の技術もありますので、それはまた今度)
長時間露光の魅力
長時間露光は普通の写真と違ってSSが長いです。シャッターを切っている間、ファインダーの中は真っ暗です。当たり前ですが、シャッターを切り終わらないと写真は見えません。
画角・絞り・SSを決め、シャッターを切る。数秒或いは数分間、自分の設定が正しかったのか心で反芻しながら待ちます。
そして出来あがった写真を確認し、ガッツポーズを撮ったりガッカリしたりw
「写真を撮ってる」って感じで好きなんです。
カメラを選ぶにあたって
初心者向けに3つほどブログを書きました。
今回はF値と写真の撮り方。
3つとも読んでくれた人は自分の撮りたいものが見つかりましたでしょうか。最初から撮るものが決まっていた人は参考になりましたでしょうか。
カメラは写真を撮る機械です。写真が目的で、カメラは機械であり、手段です。一眼が流行ってるから一眼を買おう…
多分、続かないと思います。
偉そうなことをいいますが、撮りたいものを見つけましょう。
きっと、人生が豊かになります。
その参考になれば幸いです。