初心者が知っておくべきレンズの選び方
初心者が知っておくべき一眼レフの選び方、2回目です。
前回はデジカメの基本的なことを書きました。まだの人はそちらの記事も読んでください。
今回はレンズについて書いていきます。
以前、一眼とはレンズが変えられるカメラだと書きました。一眼はカメラ本体とレンズを買う必要があります。中にはレンズキットというものもあります。本体とレンズがセットになったものです。レンズキットを買うのもよし、バラで買うのもよし。ですが、レンズを選択する権利があるということです。よく考えて買いましょう。(結局、色々買うんですけど)

最初に買ったレンズがこれです。
- ニコン純正
- 20㎜
- 広角レンズ
- 単焦点
といった特徴がありますが、何のことかわかりませんよね。でも、この記事を読み終わる頃にはこの意味が理解できていると思います。
広角とか望遠とか
画角について
広角とか望遠を説明する前に、画角について説明します。
画角とは、ファインダーを覗いたときに見える範囲です。凄く当然のことなんですが、まず、この写真を見てください。初めてのカメラ選び(予備知識編)でも出てきたダンボーです。これは先ほどの20㎜で撮りました。

次にこの図を見てください。

もう書いてますが、赤い矢印の範囲が画角です。
左にカメラ。右の丸が被写体。上の写真でいうとダンボーです。色んな色がついてますが、ここではそれぞれ異なるレンズだと思ってください。
赤や黄色の三角形があります。カメラ側に頂点があり、被写体側に底辺があります。(わかりにくい人は顔を傾けてください)それぞれ、カメラから底辺の距離が異なります。 この底辺の位置がピントの合う距離です。
レンズが異なるとピントの合う距離や見える範囲が違うんです。では、実際にファインダーを覗いた場合、どんな感じか。

こんな感じです。どんどんと周囲が削られていってますね。
画角って大事なんです。
焦点距離
焦点距離とは、そのレンズで焦がす距離です。ほら、虫眼鏡でやりませんでしたか? 太陽の光を集めて新聞紙とか、黒い紙を燃やしましたよね。焦点距離とは焦がせる距離、つまりピントが合う距離と思ってください。(画角のとこでも少し出ましたよね)

焦点距離と画角を表した図です。カメラから伸びる青い点線が焦点距離です。画角と焦点距離には「画角が広いと焦点距離が短く、画角が狭いと焦点距離が長い」という法則があります。
20㎜レンズは20㎜の位置でピントが合い、100㎜は100㎜でピントが合います。
レンズには必ず焦点距離が書いていますので、人が何を使っているのか参考にするのもいいです。
広角と望遠
画角が広いと焦点距離が短く、画角が狭いと焦点距離が長い ということはわかりました。
では、広角レンズとはどういう意味なのか。
「広い角度が見えるレンズ」という意味で、画角が広く焦点距離が短いレンズを指します。今までの図でいえば赤です。
では、望遠レンズとはどのようなレンズなのか。想像通り「遠くにあるものを大きく撮れるレンズ」です。画角が狭く焦点距離が長いレンズです。今までの図でいえば橙です。
では、黄色から緑の範囲はなんていうレンズなの? ってことですよね。
これらは標準レンズと呼びます。
ここで注意。
広角・標準・望遠ですが、ちゃんとした定義はありません。
(;゚Д゚) マジかよ…
といっても、広く一般的に通じます。それどころか、メーカーさんもこれらでカテゴリー分けをしてます。では、どんな感じで分類されているか気になりますよね。
- 広角…35㎜以下
- 標準…35㎜~80㎜
- 望遠…80㎜以上
大体、こんな感じでしょうか。
この分類はあくまで一例です。メーカーさんや個人の見解で異なることがあります。
ズームレンズと単焦点レンズ
画角とか、焦点距離とかは分かったと思います。少し極端ですが、あえて言いましょう。
レンズは2種類しかない。それは…
ズームするか。(ズームレンズ)
ズームしないか。(単焦点)
これだけなんですが、カメラ初心者にはわかりにくいかもしれません。なにせ、ズームしないレンズの意味が分かりにくいと思います。 というのも、スマホのカメラにしろコンデジにしろズームするレンズばかりです。ズームしないというのが言葉で分かっても、よくわからないと思います。 ですので、ちょっとしたイメージをお見せします。
その前に、レンズには焦点距離が書いてあるといいました。単焦点の場合は「20㎜」とか「100㎜」という表記です。ズームレンズはどのような表記なのか。「14~24㎜」とか「24-70㎜」とか「70-200㎜」という感じで書いてます。意味は分かりますよね。表記範囲の中で画角が変えられますってことです。
ズームレンズの画角変更
さて、この構図で…

- ダンボーをアップで撮りたい
- 背景そんなにいらないよ
- 手すり入れたくないな
と思ったとします。それは構図的には下図のように、どんどんと背景を削り、被写体を大きく撮ることになります。

ズームレンズの場合、その場でズームすれば画角が変わります。

みなさんもやったことありますね。ハッキリいって便利です。動かなくていいんですから。
単焦点の画角変更
単焦点はズームしないレンズです。では、どうやってダンボーをアップにするのか。

被写体に近づくんです。
画角が変わりませんので、これしかないんです。
不便? だからいいんじゃないですか。
それぞれのメリット
あくまで初心者さん向けですので、それぞれのメリットやデメリットを書いておきます。
ズームレンズのメリット
- レンズを代えなくてもいいのでシャッターチャンスを逃しにくい
- 代えのレンズがいらない(少なくて済む)ので荷物が減る
ズームレンズのデメリット
- いいレンズは高い
- いいレンズは重い
- 単焦点に比べると暗い
単焦点のメリット
- 明るい(ボケがきれいに出ます)
- 構図の勉強になる
単焦点のデメリット
- レンズを代える必要があるため、シャッターチャンスを逃すことがある
- 代えのレンズが必要なため荷物が多くなる
初心者に敢えて単焦点をすすめる理由
最初にもいいましたが、単焦点を買いましょうw
理由を聞かれると、単焦点のメリットを答えるしかありません。でも、これが奥深いんです。
ボケが美しい

ボケてますよね。

ボケてますよね。
この2枚は50㎜で撮影しました。
普通にボケてます。私、単焦点しか使わないんでこれが普通だと思ってました。でも、違うんです。
あるとき知人に「写真がボケないんだけど」と相談されました。その人についていたのはズームレンズでした。本当にボケがなく、私の写真に驚いてました。
ここでは割愛しますが、ボケを出すための設定をやってもあまりうまくいきませんでした。
やはり、単焦点はよくボケるみたいです。
ここに来る人はおそらく、このボケが撮りたいのではないでしょうか。だとすれば、単焦点なら間違いないと思います。
構図の勉強になる
写真を撮っていると、もう少し近づきたい。もう少し離れたい。端っこにある看板を入れたくない…などなど。そんな場面に遭遇します。
ズームレンズならお手のものです。手元でちょちょいとやれば画角が変わります。
でも、単焦点は自分が動くしかない。近づいたり離れたり。非常に手間かもしれません。面倒です。
でもね…移動するときに、今までと違った角度で被写体を見るんです。そこで「おや」って角度があったりします。
これ、大事なんです。

これらは20㎜です。
見てもらうとわかりますが、20㎜の特徴は手前のものはより大きく、奥のものはより小さく映ります。これは他のレンズに比べ、誇張されて映ります。だから、ダイナミックな絵になります。

動いていると色んな景色が見えます。光の当たり方も違いますし、背景の見え方も違います。ズームレンズを弄ってるだけじゃ見えない景色があります。
中にはそれがかなわない被写体もあります。
谷越しの橋とかね…(;^_^A
もうお手上げです。
諦めましょう。
そして、その画角にあった単焦点を買いましょう!
ようこそ。レンズ沼へ。
レンズのまとめ
冒頭にも書きましたが、一眼のカメラを買う場合は必ずレンズを買います。レンズがついてくるパターンもありますが、それでもレンズを買うことには変わりません。
最初に買うレンズは悩むと思います。というより、悩みましょう。 私は最初にニコンの20㎜を買いましたが、今でもこれをつけて出ることがほとんどです。 これは、正解とかそういう意味ではなく私にあってるんだと思います。(被写体とか、それらとの距離を含めて)
今回はレンズについて書きました。初心者向けにカメラ本体や設定の記事も書いてますので、興味がある人は参考にしてください。